「、全部員に確認を頼む」
「了解。それにしてもこんな確認をする日が来るなんてねぇ」
「うむ、全国に行くということを実感するな……」
昨年も予選一回戦敗退、だから私達には無関係だった。
湘北高校には少し厳しい校則がある。
赤点4つ以上の者はインターハイ参加を禁止する。
私立ではないから、当然といえば当然だが、やはり心配だ。
「三井、アンタ期末どうだったのよ」
「……な、何でお前にそんなこと言わないといけないんだよ」
「やっぱり分かってない。赤点4つ以上でインターハイ出場禁止なのよ、うち」
「な、なんだと!?マジか!?」
「大マジ」
三井は答案用紙を見つめ、眉をしかめた。
「二年間、勉強はしてるわけ……ないわよね……」
「俺は何て無駄な時間を……」
三井寿赤点4つ以上確定。
「りょーたー……」
「このバカリョータ!!恥を知りなさい恥を!!」
「い、痛い!アヤちゃん痛いよ!」
リョータのクラスに行けば、既に彩子がリョータの赤点ッぷりを把握し
ハリセンチョップを何度もお見舞いしていた。
「さん!!助けてください!!アヤチャンが……!」
「それ自業自得でしょ……。頭の悪い男は女にモテないわよ?」
「そ、そんなぁ!」
「先輩にお許し貰ったからハリセン地獄確定!!」
「ぎゃああああ!!」
宮城リョータ同じく赤点4つ以上確定
「流川ー、おーい、テストの結果教えなさいー」
「……うす」
「素直ね、こりゃ自信あったのかしら……って、英語以外のやる気が全く見えないわね……」
「……英語以外カンケーないっす」
流川はそのまままた眠ってしまった。
「流川を教えられる人間はいるのかしら……ま、インハイ行けないって言えば何とかなるか」
流川楓、赤点4つ以上確定。
「桜木ー!テストの結果……」
「ギャハハハ!!よっ!赤点王桜木!!」
「……よーへーくん、桜木って赤点いくつだったの?赤点王ってことは……」
「7つですよ」
「全教科、か……」
「サン!!0点じゃなかっただけいいと思いませんか!?」
「思いませんけど」
「ずっこーん!!敬語で返されたら逆に怖い!!」
赤木は平身低頭で、教師達に頭を下げ、追試を取り付け
今日は赤木の家で勉強会ということでその場は何とかおさまった。
「も、何とか頼めないか。お前は学年主席だしな」
「うーん……そりゃ構わないけど、皆私のいうことなんて聞くかな?」
「聞かせる」
「分かった。とりあえず、帰って準備してから行くね」
かくして、インターハイ前の熱い戦いの火蓋が切って落とされたのだった。
赤点塗れのバスケット部