に、謝れ……!!」
「……!な、何で俺がに謝る必要が」
「何が全国制覇だ、何が日本一だ!を全国に連れて行くって!
あの日皆で誓ったじゃないか!!!」


「夢見させるようなこというな!!」
「昔のことだ、関係ねぇ!」
「関係ないことあるか、お前、知衣子に関係ないって、目を見て言えるか!?」
「木暮……」


バスケをプレーしていない人間や、非凡ではない人間にとっては
全国というのは夢見ることすら危うい。
そこに夢を見させてくれる存在が現れたとしたら?
三井と赤木は、それに足りうる存在になると、私と木暮は
いつも話してた。


「俺から、から、お前は何度夢を奪うんだ!!」
「うるせえ!!お前らの夢なんか知るか!!バスケなんか、バスケなんかもう」


だめ、それ以上言ったらダメだ。
その時だった


「三井さん!!一番過去に拘ってるのは、アンタだろ」


リョータが核心を突いた。
そしてその言葉と共に、体育館のドアが開かれる。


「私だ、開けてください」


安西先生だった。
きっと今の三井は色んなこと考えてると思う。
怪我のこと、居場所が亡くなったこと、安西先生との、絆とか。


「ねぇ、三井……居場所をなくしてたのはアンタ自身だよ、
私達は……アンタを待ってた、この二年、ずっと……」


私がそう呟くと、三井は安西先生の元に泣き崩れた。
バスケがしたい、そう言って、泣いた。
翌日、三井は髪を切ってバスケ部に戻ってきた。







湘北高校バスケ部の危機 後編